2022年4月に、日本女子大学生涯学習センター所長に着任しました高梨博子です。日本女子大学のリカレント教育課程は、2007年に日本の大学として初めて設置されたリカレント専門の教育機関です。本課程では、様々なニーズに応じ、就業経験のある女性のキャリアアップを目指す「再就職コース」に加え、 2021年度からは、働きながら学べる「働く女性コース」を開設し、女性の学び直しの支援を充実させてまいりました。これらの取組やその普及・啓発に当たりましては、関係諸省庁や東京都、文京区、経済諸団体、数多くの企業や団体様から、大きなご理解、ご支援とご協力をいただいてきております。ここに改めて、皆様に御礼を申し上げます。
さて、本学の課程の考え方ですが、本学創立者の成瀬仁蔵が、1901年の創立当初から掲げていた教育理念が背景にあります。リカレントとは「循環」や「繰り返し」を意味しますが、成瀬は私たちが生涯を通じて学び続け、成長し続ける必要性を唱えており、その考え方を基軸に設計してきております。
今「人生100年時代」を迎え、それぞれのタイミングで人生を見つめ直し、新たな挑戦を志す女性がますます増えています。リカレントでの学びは、個人の経験等を活かしながら、ライフロングにわたり循環的にキャリアアップに活かしていくことのみならず、周りのひとたち、さらには日本の女性の生き方を変えていく力となり、社会全体で女性活躍を推進していく力ともなっていきます。 政府におきましては、「新しい資本主義」の中核となる考え方として「女性の経済的自立」を位置づけ、女性活躍・男女共同参画の重点方針として、女性が長い人生を経済的困窮に陥ることなく生活できる取組の重要性が指摘されています。
本課程は、知識や技能を修得するだけでなく、多様なバックグラウンドをもつ受講生たちをはじめ、講師の先生や修了生など、さまざまな方たちと交流できる環境で、視野を広げ、コミュニケーション力を養う機会でもあります。ご自身が「こうなりたい」という姿を想像しながら、それに近づけるよう努力を重ね、それぞれの人生をより豊かに歩んでいっていただきたいと願っております。