オープン・リサーチ・センター

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概 要


日本女子大学オープン・リサーチ・センターは、 2001 年 10 月に平成 13 年度文部科学省高度化推進オープン・リサーチ・センター助成事業の認可を受け、発足した組織である。本組織は、日本女子大学の 電子顕微鏡施設 を母体として誕生したもので、我が国の可視化技術発展のための人材養成拠点であるといえる。

(1)プロジェクトの目的

 本事業は、バイオイメージング技術に秀でた、新しい超微構造生物学者を養成するための人材養成プロジェクトである。本プロジェクトは、

@個々の生体構成分子の細胞内機能を可視的に検出するという分子レベルでのイメージング、

A生命の構成単位である細胞を、解剖学的な限界を究めて微視的に可視化するという細胞レベルでのイメージング、

B多細胞生物における高次の制御統合のしくみを可視化によって解き明かす個体レベルでのイメージング、

という分子・細胞・個体の3要素を網羅するイメージング研究を骨格とする。本研究は、あらゆるライフサイエンス分野において汎用性の高い基盤研究となると同時に、次世代をリードするイメージングの高度化をも目指したものである。


(2)プロジェクトの意義

 21世紀のライフサイエンス分野においては、ゲノムプロジェクトをはじめとするゲノム機能研究の成果が一層求められ、個々の生体分子の生体内における機能を解明していく時代である。今まさに、個々の生体構成分子と細胞内微細構造との結びつきを検出するという、新しいバイオイメージングの時代が到来したといえる。また、あらゆる理工系の学問及び全産業の基盤技術として、電子顕微鏡や蛍光顕微鏡技術、すなわちイメージング技術が飛躍的に進歩してきた。工学的なナノテクノロジー分野と、限界を極めるバイオイメージング技術が融合するなどにより、新分野も開拓されつつある。さらには、多細胞が複雑に統合された生物個体においても、バイオイメージング技術を応用することで、その高次統合システムを明らかにし、生命の全体像を捉えることができるようになった。このように、バイオイメージングは、あらゆるライフサイエンス分野において汎用性・応用性の高い基盤技術であり、新分野開拓の魅力を秘めた次世代をリードする技術である といえる。

 バイオイメージング研究を国内で効率よく発展させていくためには、多くのイメージング装置の扱いに精通し、十分な技術やノウハウを蓄積した研究者や高度専門職業人を養成して、生物学だけでなく、医学、農学、工学分野等からの社会的ニーズに応えられるだけの人材数を常に確保しておかねばならない。これまで日本には、体系的に効率良くバイオイメージング技術が学べる場がほとんど存在しなかった。 本プロジェクトは、体系化されたバイオイメージング専門の人材養成拠点であり、人材養成を通じて我が国の産業振興や競争力強化に貢献できると考えている。


(3)人材養成の方法

@ 技術開発を 含む先端的な 研究活動を行い、個別の研究テーマを持たせつつ、 実際に研究プロジェクトに参加させることで実践力を養う。

A体系化された多くの実技 講習会を開催することで、バイオイメージングの専門技術を、基礎から効率よく着実に身につけさせると同時に、技術者・研究者・高度専門職業人など、様々なレベルの人材養成対象者への対応を可能とする。

B外部機関との連携により、より専門的で最先端の技術を学ぶ機会も設け、色々なレベルの養成対象者への対応を可能にすると同時に、応用力・開発力を養う。

C専門的可視化技術者・研究者のネットワーク作りを重視し、次世代への技術の継承を推進する。

D研究者ネットワークを活用し、学内だけにとどまらず、他大学・研究所・企業・外国などから広く研修生を受け入れる。

Eシンポジウム・ワークショップを開催し、広く先端的なバイオイメージング技術に触れる機会を設ける。

Eバイオイメージングに関する、幼児・小・中・高・大・院、そして一般市民に至るまでの、一貫教育・生涯教育を実施し、人材養成のモデル系を確立する。