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  会長挨拶

目白会会長 平岩昌利

もう一つの美(うる)わしい伝統 

 平成の御代も二十年、月日の経つのは本当に速いものだ。
 私はいつも思うのだが、過去を振り返るときの印象は、まるで双眼鏡を覗くような感じで、何十年も前のことがつい昨日のことのように間近に思えるし、逆に未来のことは、双眼鏡をさかさまにして見るように、はるかに遠く、まったく手の届かない所のような気がするのだ。
 そして過去は美しく、未来は不安だ。
 目白会も昭和四十一年(一九六六)に設立されてから、すでに四十二年の歳月を重ねてきたが、ここまで会を育てて来られた諸先輩のご苦労に対し心からなる敬意を表する次第である 。
  古い「目白会だより」(第二十六号)を繙くと、次のような一文があった。『……子女の在学時代に培われた大学との連繋・交流は、ひとたび子女が卒業してしまうと、日と共に薄れていき、やがて途絶える結果となっている。これも世の常と言ってしまえばそれまでであるが、 折角、子女の在学を契機に結ばれたこの縁を、更に一つの組織によっていつまでも温存し、学園関係者の相談相手となり、また、機会があれば学園の後援機関として役立つことができれば、ということは誰もが願い、密かに期待したところであり……』
 これは昭和五十五年(一九八〇)発行の『目白会だより』に書かれたもので、目白会設立当時の経過を述べられたものの中の一節だが、まさに、これこそが目白会の心の原点だったのだと頷ける。
 私も娘たち二人が幼稚園から大学までお世話になり、おまけに女房までが日本女子大の卒業生で、私自身も幼稚園から大学までPTAに深く関わって来たことからすれば、これを書かれた方のお気持にはまったく同感するものがある。
 また同じ文中に、『目白会の存在は、日本女子大学泉会の延長線上にあり、同会を母体とすると言ってよい。::』ともあって、これも前掲の文章と併せて大変重要なことを示唆していると思う。
 つまり理念からすれば、日本女子大学を愛し、支援してくださるお気持がある方なら、どなたでも目白会に参加していただくことは可能だし、またそうあるべきだと思うのだが、情念の面から考えれば、おのずとこのような文章に顕れた熱き思いというものが必要欠くべからざるものとなってくるのだろう。
 前に私は、過去は美しく未来は不安と述べたが、予知能力のない人間としてはこれは至極当然のことだ。
 毎日伝えられるニュースによっても、世界全体も、日本の社会も不安なことだらけだ。私立大学も少子化の影響で、将来はまことに不安である。そういう意味では目白会もまた然りだと私は思う。
 しかし、この不安としっかりと向き合い、問題を解決することによってのみ、道はひらけるのであり、それ以外の方法はない。
さいわい目白会は幹事会の活動も活発で、毎回、将来に向けての貴重なご意見が出されており、学園側との連携もまことに密である。更に努力を重ねて、よりよい目白会をめざして行きたいと思っている。
 日本女子大学への熱き思い、また日本女子大学を通しての温い友情、感謝のこころ、こうしたものを高めることによって、人と人との結びつきも固くなり、目白会、ひいては日本女子大学の発展にも繋がるものと信ずる。
 いつも言うことだが、目白会のように、卒業生の父母が子供たちの卒業した学校の支援団体を作るということは、世界でもごく稀なことだ。
 そのごく稀なことが、日本女子大学では立派に行われているのであって、われわれはそのことに誇りを持って実践して行くとともに、これも日本女子大学の一つの美(うる)わしい伝統として是非とも次の世代へと繋げて行きたいものだ。

 「目白会だより第50号」より

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