教員採用情報 データ及び分析
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 平成24年度教員採用情報
 本件データ及び分析は、日本女子大学総合研究所 における下記の研究プロジェク トの成果を
 活用している。
・研究課題53 「教職志望学生、教職に就いている卒業生に対する力量向上に向けた実践支援」
(研究代表坂田仰)

平成24年度東京都公立学校教員採用候補者選考結果

 東京都における公立学校教員の年齢分布は,小学校,中学校,高等学校の全ての校種において50代の層が多い「いびつな年齢構成」となっている。そのため,今後10年間は年間約2000人規模の退職者が予想されている。近年,「小学校」においては約1000人前後,「中学校・高等学校」においても合わせて約1000人前後の採用が続いている。受験者にとってはこれに伴う受験倍率の低下は,教員として採用される上で好機ともいえるが,採用側からすれば「優秀な教員」の確保が喫緊の課題となっている。

 ここ10年ほど1000人規模の採用が続いている小学校においてその傾向は顕著であり,近年では,通常の採用試験に加え,秋(11月頃)に,小学校教員候補者を対象とした第2回選考を実施している。

 平成24年度についても平成23年7月に東京都公立学校教員採用候補者選考(小学校(全科))を受験していない者を対象に第2回選考が実施された。この選考は,東京都教育委員会が,東日本大震災の影響により平成24年度の教員採用試験を見送った福島県教育委員会と協定を結び,受験申込みの際に福島県公立学校教員を希望する者50名を限度とし,福島採用希望者枠を用意したことで話題となった。採用者は,都内の公立小学校で5年ほど勤務を続けた後,福島県の公立小学校の教員として採用される。

 東京都では,現在,団塊の世代の大量退職による人材確保に苦心しているが,約5年後には,大量退職による人材難のピークが過ぎることが予測されている。また,福島では,5年ほどたてば避難児童がある程度県内に戻ることが見込まれることから,今回の特別枠が実現した。この枠には,335名が応募し,うち267名が受験しており,合格者50名のうち36名が県内出身者であった。


   http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/toukei/23gakkoucho/gaiyousonota.pdf 

 平成24年度の東京都公立学校教員採用候補者選考の概要,出題傾向,試験結果については,
以下の通りである。

1 概要
第一次選考 平成23年7月3日(日曜日)
教職教養〔60分間〕:30問(択一式)100点満点
専門教養〔60分間〕:30問程度(択一式)100点満点
論文〔90分間〕:1,500字程度 100点満点
「教職教養」「専門教養」「論文」の総合計点(300点満点)が高得点の者から,合格者数(採用見込数の2倍程度)に達するまで,順次合格とされた。ただし,「教職教養」「専門教養」「論文」ごとに合格最低基準点を設け,基準点以上を取得した者を対象としている。

第二次選考
面接 平成23年8月20日(土曜日)・21日(日曜日)
集団面接・・・受験者5人,面接委員3人,面接時間40分
個人面接・・・受験者1人,面接委員3人,面接時間30分
配点は集団及び個人面接を合わせ600点

実技 平成23年9月4日(日曜日)
実技試験を行う科目については,150点の配分となっている。

合格者の決定
募集する校種等・教科(科目等)別に,合格基準を満たした者のうちで,第二次選考で実施した試験の総得点が高い者から合格予定者数に達するまでを順次合格者とした。

2 出題傾向

共通問題
教育原理8
(うち教育時事)(3)
教育史2
教育心理5
教育法規11
ローカル1
合計27
校種別選択問題
小学校教育原理3
中学校教育原理3
高等学校教育原理3
合計各3

3 選考結果
 教職教養は全30問であり,そのうち3問は校種別選択問題となっている。試験時間は60分であるから,一問あたりの解答時間は約2分となる。

 内容を概観すると,教育法規に関する出題が例年全体の三分の一程度を占め,今年度は昨年度より一問多い11問となっている。近年,学校教育の法化現象が進む中でこれまで以上に教員にリーガルマインドが求められていることが背景にあると考えられる。そのため,教育法規の基本的内容は必ず網羅しておきたい。また,東京都においては,例年「教職員」に関する問題(平成24年度は教職員の服務,職務等に関する問題)も一定数出題されている点に留意する必要がある。

 教育原理に関する出題では,学習指導要領に関するものが6問(校種別選択問題を含む)となっており,「総則」や「道徳」,「特別活動」を中心に現行の学習指導要領の内容はもちろんのこと,その変化の特徴なども押さえておく必要があろう。近年,毎年のように,特別支援教育からの出題がみられるので,これらもしっかり学習しておきたい。教育心理に関する出題も例年一定数出題されており,幅広い問題が出されている。

 なお,例年東京都独自の問題が出題されているため,東京都の教育施策等についても必ず見ておくなど,出題傾向に沿った対策が求められているといえる。

平成24年度東京都公立学校教員採用候補者選考結果
校種・教科・科目等採用見込数 応募者数受験者数名簿登載者数倍率
A÷B
小学校1,6006,107 5,3781,6963.2
中・高等学校共通
(国語・地歴・公民・数学・理科・英語・
音楽・美術・保健体育)
90010,577 8,8901,4506.1
小・中学校共通(音・美)100784 6931016.9
小・中・高共通(家庭)30306 247269.5
中学校(技術)30139 122403.1
高等学校(情報・商業・工業・農業)60 332268525.2
特別支援学校 合計1851,295 1,0722903.7
養護教諭801,213 1,0161785.7
東京教師養成塾(小学校)150名程度 1501501501
合計3,13520,90317,8363,9834.5
※県教育委員会と連携した協調特別選考(26名)及びスポーツ・文化・芸術特別選考(7名)は除く。

平成24年度東京都公立小学校教員採用候補者選考結果(第2回)
校種 採用見込者数 応募者数 受験者数 名簿登載者数 倍率
A÷B
小学校 150 1,175 937 151 6.2
(福島県採用希望者数) (上限50人) (335人) (267人) (50人)
括弧内の人数は福島県採用希望者数で内数。
「福島県採用希望者」については、本選考全体の合格者のうち、「福島県採用希望」に申し込んだ者を選考成績上位者から順に上限50名までを合格者とした。
東京都の公立小学校において5年程度勤務した後、福島県公立小学校教員になる予定。

【参考文献】
東京都教育委員会HP「教員採用選考の案内」http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/pickup/p_gakko/senko.htm(平成24年5月5日最終アクセス)
東京都教育委員会HP「平成23年度 公立学校統計調査報告書【学校調査編】」
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/toukei/23gakkoucho/gaiyousonota.pdf(平成24年5月5日最終アクセス)
時事通信出版局『教員養成セミナー』2011年9月号