関本弘之    
 
 
 
   単細胞シャジクモ藻類ヒメミカヅキモ( Closterium peracerosum-strigosum-littorale complex )では、二種類の性フェロモン( PR-IP および PR-IP Inducer )を介した有性生殖機構が知られている。これらの性フェロモンは、多糖分泌促進、有性分裂誘導、 PR-IP の産生誘導( PR-IP Inducer )、?型細胞のプロトプラスト化誘導( PR-IP )などの複数の生理活性をもち、有性生殖進行を巧妙にコントロールしていることが判明している。その一方で、これらの性フェロモンにより、どのような細胞内の遺伝子発現プログラムが調節されるのかについては、ほとんど解析されていなかった。そこで、本研究では、@ヒメミカヅキモの cDNA クローンをもとにマイクロアレイを構築し、有性生殖過程または性フェロモン処理により誘導される遺伝子群の同定を行った。また、Aさらなる遺伝子機能解析に向けて、ヒメミカヅキモへの遺伝子導入条件を検討するとともに、B発現された GFP との融合タンパク質の細胞内局在を、蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡により解析した。